仏教に登場する仏・菩薩・神々

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【弥勒菩薩】って知ってる? | 仏教用語わかりやすく説明


弥勒菩薩は仏のさとりに最も近いとされている有名な菩薩です。

今回はその弥勒菩薩について詳しく見ていきましょう。

講義で学べるポイント!

  • 弥勒菩薩とは?
  • 弥勒信仰について

【弥勒菩薩】って知ってる?

弥勒菩薩は未来仏と言われています。

弥勒という名前が経典に出てくるのは、パーリ長部26や対応する長阿含経6、あるいはまた中阿含経66です。

そこには遠い未来、人の寿命が8万歳になったときに弥勒という名の仏が世に現れると書かれています。

そもそも菩薩って何?

菩薩というのは仏のさとりを得ようと修行している人ということです。

実は悟りのレベルも、低いレベルからから高いレベルまで、全部で52の位があるとされています。

その52段階ある中で最高のさとりを「仏覚(仏のさとり)」またはこれより上が無いので「無上覚(むじょうかく)」ということもあります。

そんななかこの弥勒菩薩は等覚という 51段目のさとりの位だとされています。

等覚というのは平等の覚りを得ているという意味です。

要するにあと半歩ということです。

仏になることが確約されていると等しいので、未来仏と言われているのですね。

弥勒菩薩(みろくぼさつ)の像容

右足を曲げて左膝の上に乗せ、右手の指を頬に当てて物思いにふけるような半跏思惟像(はんかしいぞう)が有名な弥勒菩薩の姿です。

これは将来どのようにして人々を救えばよいか思い悩んでいる姿とされています。

弥勒菩薩とは?

弥勒菩薩についてはたくさんの弥勒経典があります。

そこにおいて弥勒は、釈迦牟尼仏(今の仏)の次に

56億7千万年の後、この世に現れる将来仏であり、既に菩薩として修行も成就しており、一生補処の位(あと一生のみで仏になれる位)に達しており、今は兜率天の内院に住していると書かれています。

(一生補処は先程の等覚という考えと同じなのですが、見る角度が違うイメージです。)

どちらも後少しで仏になれるという意味で理解していただけたら分かりやすいと思います。

弥勒がこの世にあわわれるときには、華林園の龍華樹の下で成仏し、三会の説法によって一切の人・天を救済すると言われています。

こんな書き方をされたら弥勒菩薩に期待しちゃいますよね。

そんな期待から弥勒信仰というものが、日本だけでなく、中国などにも影響を与えました。

日本では、8-10世紀ごろ、兜率(弥勒の浄土は兜率浄土と言う)上生を願う信仰が流行し、吉野金峯山は弥勒浄土と考えられました。

11世紀以降には末法の世を救う弥勒下生を熱烈に求める信仰も盛んとなり、この期待は、例えば幕末では世直し運動とも結びついたと言われています。

弥勒菩薩に対する信仰

ここでは弥勒菩薩に対する信仰が2種類あるのでそれぞれ見ていきましょう。

下生信仰

下生信仰は、弥勒が兜率天から下がってこの世に生まれるとする信仰です。

弥勒は釈迦入滅後の56億7千万年後に婆羅門の家に生まれ、龍華三会をもよおして未だ救済されていない仏弟子をことごとく救うとされています。

そこで、早く弥勒菩薩さんにこの正解に降りてきてもらって救済して欲しいと願う信仰ですね。

この下生信仰はさらに発展して、遠い未来の下生による救済を待たずに、今自分こそが弥勒の化身であるとして、時刻に君臨して世直しを意識した則天武后が中国に現れたりもしました。

発想としてはありそうな話ですよね。

また、日本でも室町時代に 弥勒に私年号を付して、世の苦難の改まることを願ったとされていますが、これも下生思想の現れだと言われています。

上生信仰

下生信仰に対して上生信仰は弥勒菩薩が常住説法している兜率天へ往生しようという弥勒上生経に基づく信仰です。

今の世界に降りてきてもらうのではなく、行こう!という考えですよね。

日本ではこの信仰のもと、興福寺や園城寺、元興寺の本尊として弥勒仏が安置されました。

空海は自分が閉眼したのち、兜率天に住して、そこから真言宗の進展の状況を観察するのであると述べている。

このことからも弥勒菩薩の浄土、兜率天に往生したいという信仰が強く根付いていることが伺えます。

なお、弥勒の兜率天と阿弥陀の極楽浄土の優劣がしばし、議論されることもあります。

これは立場によって解釈が違うので割愛させて頂きます。

以上が弥勒菩薩に対する説明です。

あと56億7000万年に仏になれると言われても、待てないよ!!

っていう気持ちになるのですが、この時系列の雄大さも仏教の奥深さの理由の1つですよね。