STEP03
講義#01
所要時間3分
仏教の世界観を知ろう①
仏教の時間論(三世・三時)
いよいよSTEP03です!
ここでは仏教の世界観について説明していきます!
講義で学べるポイント!
- 仏教の世界観について
- 時間軸
- 空間軸
仏教の時間論(三世・三時)
【三世】
私たちが生きている「今」を現在といいます。
現在とは、過去の積み重ねによって成り立っています。そして、現在が積み重なったことで成り立つのが、未来です。
このことから、過去・現在・未来と連綿とつながっていることが明らかでありましょう。
仏教においては、このような時間的区分を「三世(さんぜ)」といい、お釈迦さまの教えは三世にわたるものと考えています。
- 過去(過ぎ去ったとの意)
- 現在(今に生まれ起こったとの意)
- 未来(いまだに来ないとの意)
この3つを略して「過現未(かげんみ)」といい、あるいは、前世・現世・来世(こちらの方が)ともいうことがあります。
前世のおこないによって今世が決められ、今世のおこないによって来世が決められるのです。絶えることなくつづく時間の考え方をご紹介しました。
【三時】
仏教にはもう一つの時間的な考え方が存在します。それは、お釈迦さまが入滅(亡くなること)された後の時間的区分であり、「三時(さんじ)」説といいます。
正法(しょうぼう)時代
釈尊滅後最初の1000年間
像法(ぞうぼう)時代
釈尊滅後1000から2000年間
末法(まっぽう)時代
釈尊滅後2000年以降
日本仏教においては、『周書異記(しゅうしょいき)』にもとづいて、末法に入った年を考えますと、永承7年(1052)であります。
これは、日本仏教各宗派の教えを学ぶに当たって、重要なポイントとなりましょう。
天台宗の最澄や真言宗の空海が活躍した頃の日本は、まだ「像法」時代でありました。これらを平安仏教といいます。
これに対して、浄土宗の法然、浄土真宗の親鸞、融通念仏宗の一遍、曹洞宗の道元、臨済宗の栄西、法華宗の日蓮などが活躍した時代は、「末法」であります。これらを鎌倉仏教といいます。
仏教各宗の教えを学ぶとき、像法時代と末法時代に成立した宗派では、大きな相違が見られるのです。その背景には、仏教が持つ「三時説」が大きく影響していましょう。
これについては、日本仏教の講座にて、詳しく説明させていただきます。