用語解説

#05

所要時間5分

十二縁起(十二因縁)とは? | 仏教用語わかりやすく説明


十二縁起は仏教の中でも非常に重要な考え方です。

12つあるそれぞれの縁起を見ていきます。

講義で学べるポイント!

  • 十二縁起とは?
  • 外縁起とは?
  • 内縁起とは?

十二縁起(十二因縁)

十二縁起は仏教の中でも非常に重要な考え方です。

お釈迦様はまず初めに「縁起を説いた」と言われるほど、仏教にとって縁起とは重要な考え方になります。

縁起とは縁によって起こること。つまり原因と結果の基本原則の考え方です。

その中でも「なぜ私達は苦しいのか?」という苦悩の根源を追求し、その苦悩の原因である12の条件を系列化したものが十二因縁となります。

十二因縁の目的

十二因縁の目的は、本当の幸せになることです。

私達が生きている現世では苦しみが絶えません。

そんな苦しみの世界の中で、お釈迦様は「なぜ私達は苦しいのか?」「どうすれば本当の幸せを手に入れることが出来るのか?」という大きな問題について考えました。

全ての現象は私たちの心に原因があるとう前提から、12つの縁起の存在にたどり着いたのです。

そのため十二縁起には幸せになるための沢山のヒントが隠されています。

十二縁起には、私たちがどのように生まれ、成長し、老い、死にゆくのかという原因・結果のなりゆきを十二の段階に分けて説いたもの〈外縁起〉と私たちの心の変化の法則を説いたもの〈内縁起〉の両方の解釈があります。

それでは十二縁起について一つづつ見ていきましょう。

十二因縁のそれぞれの意味

12縁起は『倶舎論』など様々な経典で説かれています。

そのため多少の解釈の違いもありますが、大枠は同じです。

外縁起

人間を物質的面からとらえた考え方で、肉体はどのようにつくられてきたかを十二の段階から考えることです。

1.「無明(むみょう)」

無明というのは、「明るくないこと」という意味で、全ての根本です。

迷いの中にいるという意味でもあります。

2.「行(ぎょう)」

行為のことで前生で行った業です。

この行為が原因になって私達は母親の胎内(たいない)に宿ります。

3「識(しき)」

この世の母親の胎内で生を受ける最初の心が生まれること。

つまり、母親の胎内(たいない)に宿ることです。

識は『生物の特性を備えたもの』と解釈し、不完全ながらも人間らしいものができてきていることです。

4.「名色(みょうしき)」

不完全であった識が具体的な形となったものです。

「名色」の「名」は心、「色」は形を表しています。

お腹に宿り眼や耳ができるまでの約4週間程度です。

母体の中で心身が発育する過程を表します。

5.「六処(ろくしょ)」

眼、耳、鼻、舌、身、意の六感(六根)が形成される段階です。

受胎して五週間目から出産するまでの三十四週間の間を指します。

六根が発達して胎内で盛んに動きだすようになります。

6.「触(そく)」

初めて外界の事物を感覚し始める小さい頃で、生まれてから二、三歳までの間を指します。

苦楽を感じることなく物に触れる時期でもあります。

感覚器官が発達した状態のことで、視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚などをはっきり感じられるようになります。

7.「受(じゅ)」

触の感覚器官がより発達し、感受性が強くなります。

好き嫌いや苦楽を識別します。

外界から種々の言語や知識を受け取る期間で五歳から十四、十五才までの間を指します。

8.「愛」

精神が発達し、物質的欲求が激しく、性欲もあり愛する心情が生まれます。

十五、十六歳から青年時代をさします。

9.「取」

愛に比べて欲望がますます激しく起きる期間です。

自分のものにしたいという所有欲、独占欲が強くなります。

生涯の中で煩悩が一番強いと言われてており、

二十五、二十六歳から五十歳位までの期間をさします。

10.「有」

「愛」「取」とは逆に自分の嫌いなものから、離れようとしたり、嫌ったりします。

このような区別する感情

色々な悪業を造って未来に輪廻転生する種を残します。

生存によって欲望やそれに執着することから未来に再び

生まれ出る結果が定まること。ここまで積み重ねてきた

業の為に未来の果報を有すること。

11.「生(しょう)」

さまざまな苦楽の意識を認識し意識で人生を展開するこです。

また、次の世代への「生」という意味もあります。

12.「老死(ろうし)」

最後に老衰して死を迎えます。

以上が外縁起です。

人の一生を表していることがわかります。

次は内縁起で人の心の問題を表しています。

内縁起

内縁起(ないえんぎ)は、心の働きを中心に、十二の項目について述べたものです。

1.「無明(むみょう)」

無明は迷いの根本であり、煩悩のことをさします。

ひいては正しい世界観や人生観を知らない人のことです。

2.「行(ぎょう)」

行為のことで、物事がそのようになる作用、つまり業のことです。

人間が過去の世界で起こした煩悩の為に様々な業をつくってきた潜在的な身心のこともさします。

これが原因となって次の識を生み出します。

3「識(しき)」

物事を知り分ける識別のことです。

前生の業が始めて精神的な結果としてあらわれたもののこともさします。

4.「名色(みょうしき)」

識が具体的な形となったものです。

「名色」の「名」は心、「色」は形を表しています。

5.「六処(ろくしょ)」

視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感と、感じたものの存在を知りわける意(心)を合わせた六つの感受機能をさします。

6.「触(そく)」

前記の物事を見分ける能力がそなわってきて、ハッキリと意識的に物を判断することです。

7.「受(じゅ)」

環境や価値観の違いからくるものの受け取り方や感じ方のことです。

8.「愛(あい)」

名色・六所・触により感受したけっかの執着のことです。

9.「取(しゅ)」

執着が強い状態で、極端に相手に対しての愛や憎しみの感情が強いことです。

10.「有(う)」

取によって生じる人それぞれの考えや主張です。

また、自己中心の心がもたらす差別・区別の心ともいいます。

11.「生(しょう)」

その差別や区別によって人はに対立や争いを起こします。

その、争いや対立によって苦しむことをさします。

12.「老死(ろうし)」

そして、最後は喜んだり、悲しんだり、苦しんだりして生きているうちに死を迎えます。

以上が心の動きを中心とした十二因縁の説明です。

認識から苦しみを感じるまでの心の動きを見事に分類しています。

仏教ではこの心の動きに着目し、苦しみからの解脱を説くのです。