用語解説

#01

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【四弘誓願】菩薩としての誓いと願い | 仏教用語わかりやすく説明シリーズ


菩薩としての修行には、かならず「誓い」がともない、それは同時に、お釈迦さまの教えに生きる者としての「願い」ともなります。そのひとつに、「四弘誓願(しぐせいがん)」があります。

今回はその四弘誓願について説明いたします。

講義で学べるポイント!

  • 四弘誓願とは?
  • 四弘誓願の経典による違い

【四弘誓願】菩薩としての誓いと願い

菩薩としての修行には、かならず「誓い」がともない、それは同時に、お釈迦さまの教えに生きる者としての「願い」ともなります。そのひとつに、「四弘誓願(しぐせいがん)」があります。

菩薩は、発心(仏教徒として生きていくことを決心する心)をおこした時に、必ずこの大願を発するのです。

 

  • 「弘」願いごとが広く大きいこと
  • 「誓」は自ら心に堅く誓うこと
  • 「願」は修行が満たされることを求め願うこと

 

そして、その4つが次の通りです。宗派によって、若干の文字の相違はありますが、最も流布しているものを紹介いたします。

①衆生無辺誓願度(しゅじょうむへんせいがんど)

生死の苦しみが広がる海に沈んでいる一切衆生を救済するという誓願

煩悩無数誓願断(ぼんのうむしゅせいがんだん)

一切衆生の煩悩をすべて断ち尽くし涅槃(悟り)に導くという誓願

法門無尽誓願知(ほうもんむじんせいがんち)

多くの法門を知り尽くし、迷いから離れた真実の智慧を得るという誓願

④仏道無上誓願成(ぶつどうむじょうせいがんじょう)

この上ない仏道修行が成就するという誓願

 

「四弘誓願」の経典による違い

ここに挙げました「四弘誓願」の文は、あくまでも広く読まれているものであって、宗派ごとに読んでいる経典によって、若干の異なりが見られます。それを次には、見ていきましょう。

 

第二句「煩悩無数誓願断」の相違

  • 『摩訶止観』「煩悩無量誓願断」
  • 『法宝壇経』「煩悩無尽誓願断」
  • 『往生要集』「煩悩無辺誓願断」

 

第三句「法門無尽誓願知」の相違

『法宝壇経』「法門無量誓願学」

 

第四句「仏道無上誓願成」の相違

  • 『摩訶止観』「無上菩提誓願成」
  • 『法宝壇経』「無上仏道誓願成」
  • 『往生要集』「無上菩提誓願証」

 

また、真言宗では「衆生無辺誓願度 福智無辺誓願集 法門無辺誓願学 如来無辺誓願事 無上菩提誓願成」の五句とすることもあります。

 

【四弘誓願】菩薩としての誓いと願いまとめ

各宗派の経典や仏教典籍によって、文字には若干の相違が見られますが、いずれも、菩薩としての大きな誓願であります。「誓い」と「願い」でありますから、仏教の教えを考えますに、ただ「願う」だけではその実現は不可能であり、そこには一人一人が菩薩として生きるための「誓い」が必要であることを実感します。

宗派の教えによっては拝読しない場合もありますが、このような「誓願」をもって、仏道修行に励んでいきたいと念願するばかりです。(康)