用語解説

#01

所要時間3分

【有頂天】意味/由来は?仏教用語わかりやすく説明シリーズ


「有頂天になる」という言葉を一度は聞いたことがあるのでは無いでしょうか?

私達も日常的に聞くこの「有頂天」実は仏教の言葉だってことを知ってました?

今回はこの有頂天という言葉の意味、由来をわかりやすく説明し、その後に「有頂天」という言葉から何を学べばいいのかを説明いたします。

講義で学べるポイント!

  • 有頂天の意味を知ろう!
  • 有頂天の由来を知ろう!
  • 有頂天から学ぶことは?

有頂天の意味/由来は?

有頂天は「得意になって喜びの絶頂になること」「大得意となり舞い上がること」という意味です。

周りが見えていないくらい調子にのって喜んでいる状態を指摘する場面で良く利用する言葉です。

使用例は?

「受験に合格して有頂天になっている。」といった文脈で利用します。

これは合格したという結果に対して喜ぶあまり、足元が浮ついているような状態を指します。すこし否定的な意味を含んでいますね。

有頂天の仏教における意味は?

有頂は有=存在の頂きを意味しており、

仏典における「天」はサンスクリット語のdeva(本来輝くもの)の訳で神を意味すると同時に神が住む場所(天界)をも意味します。

つまり最高の世界である天上界をさします。

ではその最高の世界とはどこなのか?について説明します。

最高の世界とはどこなのか?

少し難しい解説をしますと、仏教ではわれわれ衆生が生まれて輪廻する三つの迷いの世界があるとし、それを「三界」と言います。

三界とは?

三下から「欲界(よっかい)」「色界(しきかい)」「無色界(むしきかい)」に分かれています。

その中でも、有頂天とは三界の最も上に位置する天という場所」のことを指します。

欲界

欲界は食欲・淫欲・睡眠欲の本能的な欲望に支配される生きものの世界で、下から地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天(一部)の「六道(ろくどう)」で構成されます。

色界

色界は「欲界」の上にあり、欲望は超越したが、物質的条件(五蘊(ごうん)のうちの色蘊(しきうん))にとらわれた生きものの住む世界です。

無色界

無色界は欲望も物質的条件も超越した世界です。

五蘊(ごうん)のうちの色蘊(しきうん)を除く受(じゅ)・想(そう)・行(ぎょう)・識(しき)の四つの構成要素からなる精神的条件のみを有する生きものが住む世界で、下から空無辺天(くうむへんてん)(処)、識無辺天(しきむへんてん)(処)、無所有天(むしょうてん)(処)、非想非非想天(ひそうひひそうてん)(処)があり、総称して「無色界の四天」とも言います。

有頂天とはこの最上の世界非想非非想天(ひそうひひそうてん)のことを指すのです。

凄いの上のまさに天界の最上の世界ですよね。

有頂天の仏教における意味

これら三界をさらに細かく分けた、二十七天の最高の位置にある全ての世界の中で最上の場所にあることから、「有頂天」という言葉になりました。

また、ここから有頂天に登りつめる事、絶頂を極めるという意味から転じて、現在私達が使っているように「喜びで夢中になることを有頂天になる」と表現するようになったのです。

実は普段から使っている「有頂天」

想像以上に有頂天だったということが分かったと思います。

有頂天から何を学ぶのか?

天上界は、最上の世界であり最も楽しいところなのですが、ここが仏教の教えの深いところ。

実はこの世界、最後に年をとって楽しみが失われる老いの苦しみは、
地獄の苦しみの16倍もあると教えられています。

なんと16倍です!

(他にも、天上界は楽しみだけでなく苦しみを受けるという教えははたくさんあるのです)

天上界に生まれ変わるには悪いことをせず、十善を行じなければなりません。
さらに高い天上界に生まれるには、より難しい修行の境地に至らないといけないです。

その中でも、天上界の28種類で、最高の世界である「有頂天」に行くには、想像を絶する努力が必要です。

にもかかわらず、地獄の苦しみの16倍もの苦しみが待っていると言うのです。

さらに「有頂天から始まる地獄」という言葉があるように、有頂天から無間地獄に落ちることもあるのです。

法華経では三界は安きことなし、なお火宅のごとし
と説かれています。

火宅」とは、火のついた家のことで、
三界はどこにいても自分の家に火がついた時のよう不安で仕方がない状態ということです。

つまり有頂天という言葉には、2つの意味が込められています。

  1. ①有頂天を目指すには並外れた努力、善行が必要
  2. ②有頂天の世界に行っても油断せずにその努力を続ける必要がある。

 

これは私達の生活にも当てはまりますよね。

ある目標を達成することは非常に意味のあることであり、重要なことです。

しかし、達成したことに甘んずることなく常に精進していく心持ちが必要なのです。