用語解説
#03
所要時間5分
「四諦」「八正道」を解説いたします。
講義で学べるポイント!
- 四諦とは?
- 八正道とは?
人生における真実と正しき8つのこと「四諦八正道」
仏教では、「真実」を求めます。
「真実の答えはひとつ」が名ゼリフの探偵アニメもありますが、〝あるがまま〟や〝本来のすがた〟を意味します。
また、「真理」との別称もあります。「真理」と聞くと、平成期に大事件を起こした宗教団体を連想しますが、本来の意味としては、〝まことの道理〟との意味でもあり、漢訳仏典では「諦(たい)」と訳されることが多くあります。
つまり、諦とは真理や真実のことです。
仏教においては、特に重要視される4つの諦を「四諦(したい)」といい、そのためのおこないとして8つの正しきこと「八正道(はっしょうどう)」が求められるのです。
四諦
四聖諦(ししょうたい)とも呼ばれますが、人生におけるもっとも根本的な真理や真実を4種類に分けたものです。
①苦諦(くたい)
現実の人生は、自己を含めて思い通りには進まず「苦」である真実
②集諦(じったい)
その「苦」はすべて、自己の煩悩(ぼんのう)や妄執などの欲望から生ずる真実
③滅諦(めったい)
それらの欲望を断ち消滅することで、それから解脱(げだつ)し、涅槃(ねはん)の安らぎに達して、悟りが開かれる真実
④道諦(どうたい)
この悟りに到達するための実践を示す真実で、八正道(はっしょうどう)に依るという真実
この苦集滅道(くじゅうめつどう)の四諦は、仏教経典において、かなり古くから説かれています。また、インド仏教においても重要視され、仏教における代表的な教えです。では、悟りに至るための正しき8種類の行いについて、見ていきましょう。
八正道
仏教に一貫している実践です。「八聖道(はっしょうどう)」と表記することもありますが、先に挙げました四諦の4番目「道諦」と、八正道は大きく関わっています。8種の道を守り、実践することによって、悟りが得られ、涅槃に到達されると説かれます。
- ①正見(しょうけん) 正しい見解。
- ②正思(しょうし) 正しい思惟。
- ③正語(しょうご) 正しい言葉。
- ④正業(しょうごう) 正しい行い。
- ⑤正命(しょうみょう) 正しい生活。
- ⑥正精進(しょうしょうじん)正しい努力。
- ⑦正念(しょうねん) 正しい心持ち。
- ⑧正定(しょうじょう) 正しい精神統一。
四諦八正道まとめ
仏教の究極的・最終的な目標は、悟りに至ることです。
そのためには、お釈迦さまの説かれた教えを守り、実践することが必要であります。
「四諦」と「八正道」は、出家と在家の区別なく、お釈迦さまの弟子(仏弟子)として生きる者の実践を指南されているのです。
四衆(比丘〈男性出家者〉・比丘尼〈女性出家者〉・優婆塞〈男性在家者〉・優婆夷〈女性在家者〉)がともに、真実を求め、その過程に示された苦をも受け止めて、正しき実践に努めていきたいと考えます。