用語解説
#10
所要時間2分
【十界】とは?命ある者の10の世界 | 仏教用語わかりやすく説明シリーズ
十界は生きとし生けるものが住む10の世界のことをさします。
この講義では十界について1つづつ説明していきます。
講義で学べるポイント!
- 十界とは?
- 悟りと迷い
命ある者の10の世界「十界」
仏教においては、生きとし生ける者を、10の世界にわけて考えて、それを「十界(じっかい)」といいます。
すべての命ある者(一切衆生)は、これから学ぶ10の世界のいずれかに属していますが、この10の世界には、「悟り」と「迷い」の双方が存在しているのです。
それでは、10の世界を訪ねてみましょう。
- 仏界(ぶっかい)
- 菩薩界(ぼさつかい)
- 縁覚界(えんがくかい)
- 声聞界(しょうもんかい)
- 天上界(てんじょうかい)
- 人間界(にんげんかい)
- 修羅界(しゅらかい)
- 畜生界(ちくしょうかい)
- 餓鬼界(がきかい)
- 地獄界(じごくかい)
十界の分類
- 三悪道(さんなくどう) 地獄・餓鬼・畜生の三界のこと
- 四悪趣(しあくしゅ) 地獄・餓鬼・畜生・修羅の四界のこと
- 三善道(さんぜんどう) 修羅・人間・天上の三界のこと
- 六道(ろくどう) 迷いの世界であり、三悪道と三善道をあわせた六界のこと
- 四聖(ししょう) 声聞・縁覚・菩薩・仏の四界のこと
命ある者の10の世界「十界」のまとめ
まとめはじめにも述べましたように、十界には悟りと迷いの双方があるのです。仏・菩薩・縁覚・声聞の四界は悟りであり、それ以下の六界が迷いの世界であります。
私たちは、有り難くも、今世においては「人間界」に生を享けたのです。仏教では、今世の仏道修行や功徳によって、来世が決まると考えられています。
是非とも、大いなる仏道修行に励み、功徳を積み重ねていきたいものです。
なお、天台宗・日蓮宗・法華宗などでは、「一念三千(いちねんさんぜん)」という重要な教えがあります。
その三千に及ぶ世界を考えるための基本となるのは、この「十界」であり、十界と十界が互いに具すという「十界互具(じっかいごぐ)」という教えがあります。
仏界にも地獄の要素が具わっており、同時に、地獄界にも仏界の側面が具わっているというのです。そのような教えを考えるにおいても、「十界」を学ぶことは、仏教の基本的なことともいえましょう。(康)