STEP02
講義#05
所要時間3分
仏教を開いたお釈迦さまを知ろう⑤
お釈迦さまにまつわる行事
この講義ではお釈迦さまにまつわる行事をご紹介します。
講義で学べるポイント!
- お釈迦さまにまつわる行事を知ろう
- 代表的な3つの行事
お釈迦さまにまつわる行事
「仏教を開いたお釈迦さまを知ろう」最後の講義となります。
ここでは、お釈迦さまにまつわる代表的な行事をご紹介致します!
日本の仏教寺院では、お釈迦さまの生涯に関わる行事として、特に次の3つの法会(ほうえ)を重視しています。
(法会とは仏教行事のようなものです)
- 「降誕会(こうたんえ)」お生まれになった日(4月8日)
- 「成道会(じょうどうえ)」悟りを開かれた日(12月8日)
- 「涅槃会(ねはんえ)」お亡くなりになった日(2月15日)
この講義ではこの3つの行事について紹介します。
釈尊降誕会
お釈迦さまの誕生(降誕)をお祝いしておこなわれる法会です。
花で飾った小さいお堂である「花御堂」を飾り、お釈迦さまの誕生の姿とされる「誕生仏」を中に安置します。そしてその誕生仏に甘茶をかけます。
このことから、降誕会は、灌(水をそそぎかける)という漢字を使い「灌仏会(かんぶつえ)」とも呼ばれます。
この甘茶をかける習わしの由来は、お釈迦さまが産まれた時、天より9匹の竜が産湯のかわりに甘露の香水を天より降らしたという伝承に由来しています。
このことから、ルンビニ園(お釈迦様がお生まれになった場所)の花園に因んで、花で飾った花御堂に誕生仏を安置して甘茶を注ぐことが行われたと言われています。
誕生仏は右手で天を、左手で地を指して立っています。これは釈尊が誕生したとき七歩あるいて次のような言葉を発せられたことに由来します。
「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」
皆様も一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
この意味には諸説あります。
気になる方は一度調べてみてはいかがでしょうか?(あえて今回は説明しません)
現在では、「花まつり」という呼称がメジャーであります。「花まつり」は、大正時代になって、真宗大谷派の僧侶であった安藤嶺丸(あんどうれいがん、1870‐1943)が、みんなが親しみやすいようにと名付けたものであるといわれています。
釈尊成道会
お釈迦さまが成道(悟りを開いた事)されたことを記念しておこなわれます。
日本では、お釈迦さまは臘月(ろうげつ、旧暦12月のこと)の8日に成道したと伝えられています。このことから、「臘八会(ろうはちえ)」と称することもあります。
また南伝仏教(上座部仏教)では、「ウェーサク祭」として、5月の満月の日に仏誕会・涅槃会と共に行われています。
釈尊涅槃会
お釈迦さまがお亡くなりになった(涅槃)日にあわせて行われます。
「涅槃」とは、吹き消すことや、吹き消した状態のことです。
つまりは、煩悩の火を焼きつくし迷いの無くなった境地をさす言葉でありますが、同時に、お釈迦さまの入滅(にゅうめつ)をさす言葉としても用いられます。
2月15日には、お釈迦さまが涅槃された時の様子を画いた「涅槃図(ねはんず)」をかかげて法会が営まれることが多いです。
日本最古の涅槃図は、高野山真言宗総本山金剛峯寺に所蔵されている応徳3年(1086)銘のもので、他にも、日蓮宗本山本法寺(京都)に所蔵されている長谷川等伯(1539-1610)筆も有名であります。
以上、お釈迦さまにまつわる3つの行事が、なぜ重要であるのかをご紹介しました。降誕・成道・涅槃は、お釈迦さまの生涯の重要な8つの場面「八相成道」にも含まれております。
それぞれの詳細な内容は、「お釈迦さまの生涯」の項目もあわせてご参照ください。
これにてステップ2「仏教を開いたお釈迦さまを知ろう」の講義は終了です。
仏教を開いたお釈迦さまのことを知ると、今まで以上に仏教に親しみがわいてくるのではないでしょうか?
次の講義では、そんな仏教の独特の世界観について勉強していきましょう!