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コラム⑨

【コラム】正月7日「七草粥」


コラム⑨

講義で学べるポイント!

小寒→七草→小正月

日本のお正月は、慌ただしい

2日前には小寒を迎え、セリが美味しくなる季節であることを、前回には書きました。
今日は、「七草粥」を頂戴する日です。これを食することで、これからの新しい1年を安穏に暮らせることを願い、また邪気を払う意味があるのです。

【春の七草】
芹 (セリ )
薺 (ナズナ )
御形 (ごぎょう・ハハコグサ )
はこべら (ハコベ )
仏座 (ほとけのざ・コオニタビラコ )
菘 (すずな・カブ )
蘿葡 (すずしろ・ダイコン )

七草を、使うようになったことについては、平安時代説・鎌倉時代説・室町時代説などと諸説がありますが、いずれにしても、かなり昔から「七草」文化はあったのです。

お粥に若菜?

そもそも、若菜を粥に入れることは、日本でも古くから行われていました。

『師光年中行事』にて、醍醐天皇延喜18年(918)正月7日の記事に、「七種若菜」とあり、若菜をお粥に入れて食する習慣は、延喜年間に始まったと考えられます。
これ以降、『万葉集』などにも見られ、新春の若葉の生命力を、摘み食することは、古来から習慣としてあったのです。

「春の七草」の効能

七草は、それぞれに効用があるのです。

セリ
目の充血やめまいを予防する
ナズナ
消化機能をととのえる
ゴギョウ
せきを止め、たんを切る働きがある
ハコベラ
胃炎や胃弱に効果的である
ホトケノザ
筋肉の痛みに有効
スズナ
胃腸をととのえ熱を下げる
スズシロ
胃腸の働きを助ける

お節料理や新年会など、飲んだり食べたりすることの多い時期に、疲れた胃腸をいたわり、また不足しているビタミンを補うためにも最適な食事なのです。

文学作品に見る「七草」

「七草」については、幾多の文学作品に見られますが、なかでも古いものを2つ紹介しておきます。

『類従本赤染衛門集』(11世紀)
春日部の
けふなな草の
これならで
君をとふひは
いつぞ共なし

『山家集』上(平安末期)
うづゑつき
ななくさにこそ
おいにけれ
年を重ねて
摘める若菜に

<参考>秋の七草とは?
萩(はぎ)
桔梗(ききょう)
葛(くず)
女郎花(おみなえし)
藤袴(ふじばかま)
尾花(おばな)
撫子(なでしこ)

むすびにかえて

めでたいお正月をお迎えし、豪華な食事をいただいて、胃腸が疲れた頃の正月7日に、風も引かないためにも、いただくのが「七草粥」です。
七草というものは、およそ1000寝んも昔から存在しており、私たち日本人は受け継いできたのです。
春の七草は食用ですが、秋の七草は観賞用であるというのも、日本に伝わるおもしろさでしょう。

地域によっては、今日をもって、お正月を区切りとし、正月飾りを納める地域もあります。あるいは、15日までお飾りをしている地域もあるのです。
次にお迎えするのは15日の小正月。団子かざりをして、お祝いをします。
日本人は、お正月を単なる節目として受け止めるにとどまらず、その家ごとに「歳神様」をお迎えすることを丁重におこなっていたことが理解できます。
簡素化、簡略化、コンパクト…などが叫ばれる昨今。あらためて、ご先祖様から伝えられたひとつひとつのことを、見つめ直してみてはいかがでしょうか?