コラム
#01
所要時間2分
日本人の宗教観の特徴として、「アニミズム」。
供養という観点からお話いたします。
講義で学べるポイント!
- アミニズムとは?
- 様々な供養
アミニズムと日本人
日本人の宗教観の特徴として、「アニミズム」が挙げられましょう。
命ある生き物(有生物)は当然ですが、無生物にさえも霊魂が宿っていると考えるのです。
このような価値観に違和感はなく、むしろ当たり前のことなのかもしれないと感じるでしょう。
仮に、意識はしていなくとも、気付かぬうちに行動として実践している場合が多々あります。
女の子の雛人形や男の子の五月人形、またはコケシや置物などの日本人形までもが供養の対象となる場合があります。さらには、この人形供養の対象に、UFOキャッチャーで取り得たアニメキャラクター人形やテーマパークのお土産で購入した人形までもが含まれることもあります。供養の対象が、広範囲となっているのです。
これらの人形たちに霊魂は存在するのでしょうか?
実は、この問いが、アミニズムを考えるにおいては、重要な意味を持つと思われます。
日本の宗教観は「多神教」であり、多くの神々を総称して「八百万の神」ともいいます。
そのうえ、 無生物のも、霊魂が存在していると考えている(=アニミズム)ことが、むしろ当然なのです。
過去に、テレビニュースで、役目を終えたアイボを寺院で読経供養している場面を見ました。 ロボットであるアイボは、当たり前ですが、無生物です。でも、無生物のロボットにさえも、霊魂があると考えるのです。
ここまでのことを私なりに総括
日本人が供養したいと感じる対象が、無生物までも含まれて、広範囲に及ぶことが理解できます。
- 死者(先祖)
- 動物
- 樹木( 草木)
- 人形
- ぬいぐるみ
- ロボット・・・etc
(考え方によっては、更に細分化されるでしょう)
ここでいう供養というのは、 香や華を供え、読経などの宗教行為を行うだけの供養に留まるのではありません。
換言すれば、日本人独特の「感謝」の意も含まれように感じます。
供養の対象が広範囲で、なおかつ、本来の意味に+αした「供養」の意が存在するのです。
それらを踏まえて再考するに、役目を終えたパソコンやスマホが供養の対象となる未来も近いのでありましょう。
むしろ、それが当たり前の流れとして訪れ、「感謝」の意を含めた宗教行為の供養を、お寺から発信していきたいです。
そのためには、供養したい!
感謝のお経を捧げてほしい!
との思いがある限り、無生物供養にも積極的に展開していきたいと考えるばかりです。(康)