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初詣はお寺でもいい?神社との違いと参拝作法、迷いやすい点まで

このコラムのポイント

  • 初詣はお寺でも神社でもできる
  • お寺では拍手をせず静かに合掌する
  • 宗派やお寺ごとの案内に合わせてお参りする

初詣はお寺でも大丈夫です。初詣(はつもうで)とは、新年に初めてお寺や神社へお参りすることです。「毎年は神社だけれど、今年は近くのお寺でもよいのかな」と迷うなら、お寺を選んでかまいません。作法の違いを知っておけば、家族と出かけるときも落ち着いてお参りできます。

お寺と神社の違いを知って、初詣の行き先を選ぶ

『日本大百科全書』の「初詣で」も、新年最初に神仏へお参りすることと説明しています。初詣は神社だけの行事ではなく、お寺への初詣を、神社に行けない場合の代用品と考える必要はありません。お付き合いのあるお寺や、以前から訪ねたかったお寺で新年を迎えるのも、自然な選び方です。

比べる点お寺神社
信仰仏教日本の神々を敬う神道
お参りする対象そのお寺で中心にまつる仏さまなどその神社にまつられる神さま
基本の作法拍手をせず、両手を合わせる合掌(がっしょう)と礼をする二拝二拍手一拝、つまり深いお辞儀を二回、拍手を二回、最後にお辞儀を一回する
作法の違い宗派やお寺の案内に合わせる独自の作法がある神社では案内に合わせる

表の違いは、どちらが初詣にふさわしいかを決めるためのものではありません。行き先に合わせてお参りするための手がかりです。家族に毎年通っている神社があれば、「今年はこのお寺へ行ってみたい」と話し、家の習慣やそれぞれの信仰も大切にしながら行き先を決めましょう。

お寺での初詣は、山門から本堂へ

以下は、お寺で参拝する際の流れの一例です。細かな作法は宗派やお寺によって違うため、現地の案内に従いましょう。

  1. 入口で一礼する。お寺の入口の門を山門(さんもん)と呼びます。門の前で軽く頭を下げ、敷居があれば踏まずにまたぎます。正月に入口と出口が分けられているときは、通行の向きに沿って進みます。
  2. 手水で手と口を清める。手水(ちょうず)は、お参り前に水で清める作法です。柄杓(ひしゃく)があれば左右の手に水をかけ、手のひらに受けた水で口をすすぎます。柄杓に直接口をつけません。使えないときは、そのまま本堂へ向かいましょう。
  3. 線香の供え方を確かめる。線香をたく器を香炉(こうろ)といいます。立てて供えると思いがちですが、浄土真宗本願寺派の公式「よくあるご質問」の「線香と焼香」では、日常の線香を短く折り、寝かせて供えると説明しています。本数だけでなく置き方にも違いがあるので、初めてのお寺なら火をつける前に供え方を尋ねると迷いません。
  4. 本堂で手を合わせる。中心となる仏さま、ご本尊(ごほんぞん)をまつる本堂へ進みます。参拝方法の一例として、賽銭箱の前で一礼し、お賽銭を供え、合掌した後に軽く一礼します。実際の手順は、そのお寺の案内に従いましょう。お賽銭は投げつけず、静かに供えましょう。
  5. 後ろの人に場所を譲って退出する。お参りを終えたら参拝の列から離れ、帰りは入口の門で一礼します。混雑している場所で急に立ち止まると、後ろの人とぶつかることがあるので、立ち止まれる場所で行いましょう。

お堂の前にひもで鳴らす金属の道具、鰐口(わにぐち)があっても、使用を止めていることがあります。大きな鐘も自由につけるとは限りません。順路や道具の使用については、当日の掲示や係の方の誘導に従います。

たとえば、子どもが隣の人をまねて手を打ってしまったら、「ここでは静かに手を合わせるんだね」と伝えて、続けてお参りすればよいでしょう。作法を覚える途中で、家族をその場で強く叱る必要はありません。

初詣はいつ、どのお寺へ行けばいい?

三が日(1月1〜3日)や、正月飾りを出す期間である「松の内」がよく選ばれます。『日本大百科全書』の「松の内」では、一般に1月7日まで、京都や大阪では15日までと説明されています。ただし、この期間は参拝の締め切りではありません。家族がそろう日や、落ち着いて歩ける日を選んでよいのです。

家の宗派と違っても、一般の参拝を受け入れているお寺なら訪ねられます。神社とお寺の両方へ行くこともできますが、同じ日に回りきる必要はありません。子ども連れなら、まず一か所へお参りし、その後は寒さや疲れ具合を見て決める予定でも十分です。

歩行に不安のある家族と行くなら、「駐車場があるか」から一歩進めて、駐車場から本堂まで階段を避けて進めるかを調べましょう。境内図で坂道や段差、エレベーターの位置を見て、わからなければ「階段を使わずにお参りできる入口はどこですか」とお寺へ尋ねます。車椅子を使う場合は、砂利道の有無や付き添いが必要な区間も聞いておくと、行き先を判断しやすくなります。

正月の交通規制で、その入口や駐車場まで車で近づけるかも確認が必要です。迂回路が長い、参拝の列で立って待つのが難しいとわかったら、混雑する日を外すか、移動の短いお寺を選べます。開門時間だけでなく、本堂へ上がれる時間や、利用したいエレベーターの稼働時間まで確かめると、到着後の困り事を減らせます。

お寺で願い事をしてもいい?ご利益の考え方

家族の無事や試験の合格を願うお参りを受け付けるお寺もあります。「お寺は亡くなった人のためだけの場所」「健康や仕事の願いは神社だけ」と分けるのは正確ではありません。どちらの方が願いがかなうか、と比べられるものでもありません。

一方、願い事をかなえてもらうための儀式である祈祷(きとう)をどう考えるかは、宗派によって違います。浄土真宗本願寺派は、教えの基本を定めた「宗制」で、今の世での願いをかなえるための祈祷を必要としないとしています。仏さまへの感謝や教えを聞くことを大切にするお参りもあるのです。

唱える言葉も、お寺で共通ではありません。わからなければ、「初めてなのですが、何とお唱えすればよいですか」と尋ねられます。誰に手を合わせているかが気になったら、私達は誰に拝んでいるの?も、仏さまを知る入り口になります。

たとえば「家族が穏やかに過ごせますように」と願った帰り道で、家族が「足が疲れた」と口にしたとします。「もう少しだから」と先を急ぐ前に、座れる場所で休む、予定していた寄り道をやめる、といった行動を選べます。仏さまの前で願ったことを、目の前の家族への接し方につなげる小さな機会になります。

お守り・おみくじ・御朱印は、お参りに必須ではない

お守りを受けたり、おみくじを引いたりしなくても、お参りはできます。置いているものはお寺ごとに異なり、御朱印(ごしゅいん)と呼ばれる参拝の証の印や墨書を授けないお寺もあります。受けたいものがあれば、受付時間や方法を確認しましょう。

おみくじは吉凶の文字だけで決めつけず、書かれた助言にも目を向けてみてください。持ち帰るか、指定の場所に結ぶかは現地の案内に合わせ、境内の木へ勝手に結ばないようにします。

古いお札やお守りは、受けたお寺や神社へ返すのが基本です。別の場所へ返したいときは、受け入れているか事前に確認してください。どこの納め所でも、すべてを引き取るとは限りません。

よくある質問

喪中でも、お寺へ初詣に行けますか?

一般に、お寺への参拝はできます。亡くなった方を思い、手を合わせる機会にもなりますが、お正月のにぎわいがつらければ、静かな日に出かけてもかまいません。地域や家の考え方もあるので、迷う場合はお付き合いのあるお寺へ相談しましょう。

お賽銭はいくら必要ですか?

通常のお参りのお賽銭に、一律の金額はありません。語呂のよい硬貨を探すより、無理のない範囲で感謝の気持ちを表せばよいでしょう。別に拝観料や、祈祷を申し込む際のお納めが必要な場合は、受付で確認してください。

数珠がなくても、お参りできますか?

一般の参拝では、数珠を持っていなくても手を合わせてお参りできます。数珠はお参りの際に手に掛ける珠の連なった道具で、使い方は宗派によって違います。儀式に参加する場合は、必要な持ち物をお寺へ確認すると安心です。

服装は普段着でも大丈夫ですか?

一般のお参りなら、清潔で動きやすい普段着で大丈夫です。冬の寒さに備え、お堂へ上がる予定があれば脱ぎ履きしやすい靴を選ぶと過ごしやすくなります。特別な儀式に参加する場合は、服装の指定がないか確認しましょう。

もっと学びたい人へ

子どもと初詣へ出かける前に、「お寺では音を立てずに手を合わせようね」と伝え、一緒に手を合わせてみましょう。

参考文献

  • 日本大百科全書(ニッポニカ)
  • 真言宗智山派 大本山成田山新勝寺 公式サイト
  • 浄土真宗本願寺派 公式サイト
  • 神社本庁 公式サイト

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